物作りには、必ず金属を切ったり削ったりします。 金属を切ったり削ったりするとき、刃物と金属の間に油を入れて、刃物の疲労を防ぐのと、金属の仕上がりを良くするために、使うのが金属加工油です。
不水溶性切削油
金属を加工(切ったり削ったり)するときに、使用されるオイルです。
水溶性オイルと不水溶性オイルの2種類があります。 加工の条件によって2種類の中から 使い分けます。
水溶性切削油
エマルジョンとソリュブルタイプの違い
項目 | 正しい使用法 | トラブル例 |
貯蔵 | ・適正な保管 一高温の場所や極端な低温場所での保管は避ける ・水分の混入を避ける ・容器の密閉 | ・添加剤の劣化 ・乳化不良(水溶性切削油) ・添加剤の分離、性能低下 ・乳化 ・水溶性切削油(原液)の水分蒸発による乳化不良 |
希釈 | ・水溶性切削油の希釈 一多量の水の中へ原液を徐々に加え攪拌する ・希釈には水道水を使用 ・適正な濃度管理 一適正な倍率 (タンク容量の把握) | ・原液中へ水を加えると乳化不良を起こし、O/Wエマルジョンにならない(W/Oエマルジョンとなる) ・硬水を使用すると乳化不良を起こす事がある。 ・濃い場合:粘着物発生、泡立ち ・薄い場合:さび。エ具寿命低下、腐敗、かび発性 |
長持ちさせる 方法 | ・タンク容量の大型化 ー酸化劣化の防止 ・冷却装置の設置 ータンク油温の上昇の防止 ・切り屑の除去 ・水溶性油の場合、タンク内へ空気を吹き込む(バクテリア繁殖防止) ・PHの維持 ・定期的性状チェック (水溶性油) ー濃度、PH、色、匂い | ・タンク容量が小さい油の劣化が早い ・高温による油の劣化、蒸発 ・油劣化の促進 ・嫌忌性バクテリアの繁殖 ・PH低下によるさび、腐敗の発生 |
皮内炎の防止 | ・油を直接長時間皮膚に付着させない 一エプロン着用 ・作業前に保護クリームを塗布 一不水溶性切削油 (水溶性保護クリーム) ー水溶性切削油 (油性保護クリーム) ・劣化した油の早期交換 | ・皮膚炎(低粘度油、アルカリ性) ・不水溶性切削油から水溶性切削油へ変わった時に注意 |
*水溶性加工油に付きましては 濃度管理とHP管理が重要です。 加工油によって定められた濃度で 使用して下さい。 *皮膚炎に付きましては、発症したら すぐに専門医でアレルギーの物質を突き止めて下さい。素人療法は症状を 長引かせます。